富士スピードウェイの富士モータースポーツミュージアム

ツーリング

東京に行った帰り、「富士スピードウェイ」内に2022年10月オープンした「富士モータースポーツミュージアム」に行きました。

富士モータースポーツミュージアム | クルマを鍛え、進化させた、熱い歴史をたどる博物館
約130年にわたるモータースポーツの歴史を世界のレーシングカー約40台の展示でたどるとともに、携わった人々の熱い想いもご紹介します。

世界の歴代レーシングカーが年代順に展示されています。自分の印象に残った展示車両をアルバムしておくことにします。

戦前のレーシングカー


「パンァー・エ・ルバッソール・Type B2」1899年 フランス 3562cc 直4 F頭12ps/750rpm

おじいさん世代には「パナール・ルバッソール」という名のほうが馴染みがあります。FR駆動方式を最初に実用化したメーカーで、レースでEVや蒸気機関自動車に勝ち、ガソリン車が普及するきっかけになったそうです。


「トーマス・フライヤー・モデルL」 1909年 アメリカ 4377cc 直6 L頭 40ps

「ニューヨーク・パリ世界一周ロードレース」で優勝したメーカー。


「スタッツ・ベアキャット・シリーズF」 1914年 6394cc 直4 T頭 60ps/1500rpm

初期の「インディ500」レース車両の市販バージョン。


「FORD・999」 1902年 アメリカ 18946cc 直4 F頭 80ps/700rpm

のちにT型フォードで大成功を収めるフォードが、レースや速度記録挑戦などでプロモーションするために製作した車両、ヘンリー・フォード自身が147kmの速度記録を打ち立てたりしたそうです。


「サンビーム・グランプリ」 1922年 イギリス 1975cc 直4 DOHC 88ps/4200rpm

グランプリレースで初めて優勝した英国メーカー。「ブリティッシュ・グリーン」に塗られています。1960年代末に「チーム・ロータス」がたばこ広告をカラーリングするまでのグランプリカーは、メーカーの国籍を表す「ナショナルカラー」でした。「イタリアン・レッド」、「フレンチ・ブルー」、「ジャーマン・シルバー」などです。




「ブガッティ・タイプ35B」 1926年 フランス 2262cc 直8 SOHC スーパーチャージャー 130ps/5000rpm

ナチスドイツに席捲される前のグランプリレースでモナコGP、フランスGP他、多数の優勝を記録したことと、馬蹄型のラジエーター、アルミホイールなど美しい造形で有名な車。


「アルファロメオ・6C 1750 Gran Sport」1930年 イタリア 1752cc 直6 DOHC スーパーチャージャー 85ps/4500rpm

グランプリカーも手掛けたヴィットリオ・ヤーノの設計で、「タルガフローリオ」や「ミッレミリア」など公道レースで活躍した車。当時のアルファには最初はドライバー、後にマネージャーとしてエンツォ・フェラーリも在籍していました。

大戦前夜には「ファシスト党」プロパガンダの一環でドイツのベンツ、アウトウニオン(アウディの前身)と盛んに競いました。



「ベントレー・4½」1930年 イギリス 4398cc 直4 SOHC 110ps/3500rpm

1928年のルマン24時間で優勝し、ライバル「ブガッティ」のエットーレ・ブガッティから「おめでとう、あなたは世界で一番速いトラックを作られた。」と、大柄な車体への皮肉を交えた賛辞を贈られた逸話で有名です。




「メルセデス・ベンツW25」(レプリカ) 1934年 ドイツ 3362cc 直8 DOHC スーパーチャージャー 354ps/5800rpm

「ナチス党」の支援を受けて最高重量「750kgフォーミュラ」に合わせて開発されたグランプリカー。レース前に最高重量を1kgオーバーしていることが判明したため、アルフレッド・ノイバウアー監督の指示でホワイトの塗装を剥がし、アルミ地肌むき出しのシルバーで車検合格しデビューウインしたそうです。「シルバーアロー」の始まりです。2023年型F1「W14」も軽量化のためカーボン地むき出しのブラックですが、歴史は繰り返すという言葉が浮かんできます。

戦後のレーシングカー



「チシタリア・202C」ミッレ・ミリア出場車 1947年 イタリア 1089cc 直4 OHC 55ps/5500rpm


「トヨペット・レーサー」(レプリカ)1951年 995cc 直4サイドバルブ 27ps/4000rpm

トヨタ自動車創業者、豊田喜一郎氏の構想により「船橋サーキット」でのレース参戦を想定し「トヨタ自販」主体で開発されたそうです。小型トラックやタクシーと共通のシャシーに「愛知トヨタ」がボディを架装。現車は存在を知る人も少なく忘れられた車両をほぼゼロの状態から復元したものだということです。


「ダットサン・210型 桜号」1958年 988cc 直4 OHV 34ps/4400rpm

ノックダウン生産していたオースチンB型をショートストローク化したC型エンジンを搭載し、日産の北米輸出の端緒となったモデル。現車は豪州一周ラリー「モービルガス・トライアル」でクラス4位入賞した車両。


「日野・コンテッサ900」1961年 893cc 直4 OHV 35ps/5000rpm

現在トヨタ・グループで大型トラックを生産している日野自動車が、ノックダウン生産車「日野・ルノー」をベースに初めて自社開発した乗用車。1963年「第一回日本GP」1000ccクラスで優勝した現車だそうです。


「ホンダ・RC162」西ドイツGP優勝車 1961年 249cc 空冷並列4 DOHC 45ps以上/14000rpm

レブリミット18,000rpmという超高回転エンジンで、出場した10戦全勝を挙げた2輪グランプリマシン。甲高いエキゾーストノートはホンダ・ミュージックと言われました。マイク・ヘイルウッドがシリーズチャンピオン、現車は高橋国光さんが西ドイツGPで優勝した車両だそうです。



「ホンダ・RA272」1965年 1495cc V12 DOHC 230ps以上/12000rpm

2輪のRC162同様、13,000rpm以上がレブリミットという高回転高出力型エンジンが特徴のF1マシン。高地で開催されたメキシコGPで、航空エンジニア出身の中村良夫監督の指導によりリーン・セッティングで快走、リッチー・ギンサー選手のドライブで初優勝を遂げたそうです。




「ポルシェ・904カレラGTS」タルガ・フローリオ クラス優勝車(No904-008) 1964年 西ドイツ 1982cc 空冷水平対向8 DOHC 240ps/-



「ニッサン・R382」1969年 5954cc V12 DOHC 600ps/7200rpm



「トヨタ・7」日本CANAM(カンナム)優勝車 1969年 4966cc V8 DOHC 600ps/8500rpm



「トヨタ・2000GT スピードトライアル」(レプリカ) 1966年 1988cc 直6 DOHC 150ps/8800rpm




「ムーンクラフト スペシャル7 / マーチ85J」1987年 ヤマハOX66 1995cc V6 DOHC 5バルブ 330ps/11000rpm


「三菱・ランサー1600GSR」サファリ・ラリー優勝車 1974年 1597cc 直4 SOHC 150ps/7000rpm

スポット参戦でいきなり優勝した車両だそうです。ドライバーはサファリ・ラリー3勝のケニア人ドライバー、ジョギンダ・シンさん。


「日産・バイオレット」サファリ・ラリー3連覇達成車 1981年 1975cc 直4 DOHC 210ps/-

ケニアのシェカー・メッタさんがサファリ4連勝の3勝目を挙げた車両。1973年にも「フェアレディ240Z」で優勝。フェアレディはタミヤの1/12 ビッグスケールモデルにもなって馴染み深いです。日産のラリー活動は石原裕次郎さん主演の映画「栄光への5000キロ」の題材にもなりました。

うちでも「パルサーGTI-R」というホモロゲーション・モデルを一時所有していて、あちこちにドライブに出かけました。雪の高野山での安定した走りは、忘れられない思い出です。


「トヨタ・セリカGT-FOUR(ST-185)」オーストラリア・ラリー優勝車 1993年 1998cc 直4 DOHCターボ 299ps/5600rpm

日本車初のドライバー/メーカータイトル両制覇を成し遂げた車両。ドライバーは4回タイトルのフィンランド人ユハ・カンクネンさん。ホモロゲーション・モデルが発売されましたが、ノーマルでの走りはスバルや三菱のほうが上とか噂されてたのを思い出します。


「スバル・インプレッサ555」アクロポリス・ラリー優勝車 1996年 1994cc 水平対向4 DOHCターボ 300ps/6500rpm

スバル自慢の水平対向エンジンとAWDで、1995年、1996年とメーカータイトルを奪取した車両。ドライバーは1995年チャンピオンのイギリス人コリン・マクレーさん。


「三菱・ランサー・エボリューションⅢ」オーストラリア・ラリー優勝車 1995年 1997cc 直4 DOHCターボ 290ps/5500rpm

ドライバーはスウェーデンのケネス・エリクソンさん。翌年から「三菱ラリーアート」は、新加入のフィンランド人トミ・マキネンさんによりドライバータイトル4連覇を遂げることになります。



「マツダ・787B」ルマン24時間優勝車(レプリカ)1991年 654cc×4ローター 700ps/9000rpm


「トヨタGT-One(TS020)」1999年 3576cc V8 DOHCターボ 600ps/-




「トヨタ・TF109」2009年 2998cc V8 DOHC 700ps/18000rpm


「トヨタ・スープラ・ターボA(MA70)」1990年 2954cc 直6 DOHCターボ


「日産・PENZOIL NISMOスカイラインGT-R」JGTCシリーズチャンピオン 1998年 2708cc 直6 DOHCターボ 500ps/6000rpm


「ホンダ・NSX-R」1996年 2977cc V6 DOHC 280ps/7300rpm


「トヨタ・スープラ HKSドリフト・デモカー」2019年 3352cc 直6 DOHCターボ 700ps/-



「ローラ・B2/00(ニューマン・ハース)」2002年 トヨタRV8F 2648cc V8 DOHCターボ 800ps~/16000rpm


「トヨタ・カムリNASCAR #18」(レプリカ) 2008年 5864cc V8 OHV 850ps/9000rpm


「オールアメリカンレーサーズ・イーグル・マークⅢ」IMSA GTPチャンピオン 1993年アメリカ トヨタ・3S-GTM 2140cc 直4 DOHCターボ 700ps

コメント

タイトルとURLをコピーしました